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3つの立場から


6月は学校公演の日々です。

毎日色々な学校へ出かけ、子供達に音楽を届けてきています。

こんな気持ちの良い景色に出会える日もあります。

そして学校での公演の日は開演時間が早いため、早起きの毎日です。そのため、夜は子供を寝かしつけながら、自分も一緒に寝てしまい、気づいたら1ヶ月ぶりのブログ更新となりました。

演奏会の合間を縫って、大学での授業は通常営業です。

授業準備を進めていたら、興味深い論文がありました。

オープンアクセスのレポートなので興味ある方は読んでみてください。

小学生の子をもつ親に対するアンケートを行った調査結果が出ています。

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【小学校における芸術教育に対する満足度】

「音楽や図工における、歌や演奏・造形のための指導」に対する満足度は、7割以上。

「音楽の鑑賞教育」に対する満足度は、5割程度。

【能力・態度を身につけてほしい場所】

「芸術を楽しむこと」は僅差ですが、学校より学校外に期待している親が多い。

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簡単に抜粋ですが、こういう結果が出ていました。

ここからは私見ですが、

「音楽や図工における、歌や演奏・造形のための指導」に関しては、学習発表会や合唱コンクールなどで、器楽や合唱を披露する機会があるので、日頃の子供達の練習の成果を見て評価しやすいからか、7割以上の親が満足しています。

一方で、「音楽の鑑賞教育」に関しては、親が授業の中身を見る機会はほとんどないので評価しにくいのもあると思いますが、満足度は下がっています。

普段私は教員養成大学で、将来の学校の先生の卵たちを見ていて、

どうしたら音楽好きの子どもが育つのか、どうしたら音楽の楽しさが伝えられるのか、

といったことをがんばって考えている学生さんを知っているので、

親の満足度が低いのはちょっと悲しい結果でした。

「芸術を楽しむこと」を学校外に期待している親が多いのも、地域差などもあり一概にはいえないと思いますが、学校に任せてもらえない悲しさを感じます。

しかし音楽家の立場から考えると、チャンスにも変えられるかと。

生の音楽を届けること、音楽家にしかできないスキルを子どもたちに伝えることで、

子どもにも親も満足してもらえるような事ができるのではないでしょうか。

本来なら学校外で活動をしている音楽家も、

音楽家ならではの視点から、学校で音楽する活動ができることがあると思います。

普段、子どもたちと向き合っている学校の先生と、

普段、音楽に向き合っている音楽家が、

共に協働しながら、子どもたちと音楽活動ができたら最高ですね。

教員養成の立場から、

音楽家の立場から、

親の立場から、

興味深いレポートでした。

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