今日訪れたのは福島市の小学校。
それはそれは寒い体育館でした。もう冬ですね。
弾くごとに指の熱が奪われていく感覚でした・・・。
私たちのスクールコンサートでは、サンサーンスの「白鳥」にあわせてバレリーナの踊りが入るのですが、
今日の学校の庭には本物の白鳥が!
学校で飼っているそうです。
5代目の白鳥さんだとか。
学校が大好きで、夏も渡らずにいるそうです。
バレリーナの方は、
「白鳥が休む時は、本当に首を曲げて、自分の身体に置いてるんだ!」と言っていました。
さすが、身体の動きをよく観察してらっしゃいますね。
私は、白鳥のしゃがれた鳴き声が気になりました。
先生に聞いてみると、もう御年80歳なのだとか。
昔、冬になると福島へ渡ってくる白鳥を見に、
祖父と一緒に阿武隈川へ食パンの耳を持って行ったことを思い出しました。
バレエの白鳥といえば、アンナ・パブロワの白鳥が有名です。
彼女の代名詞ともいえるこの踊りの振りは、ミハイル・フォーキンが「瀕死の白鳥」として振り付けをしました。
アンナ・パブロワ「白鳥」
その後、マイヤ・プリセツカヤがパブロワの振りとは違う振りで、白鳥を踊りました。
マイヤ・プリセツカヤ「白鳥」
この映像はなんと、61歳だそうです。すごい・・・
素人意見ですが、腕が骨が入ってないんじゃないかと思うような柔軟な動きです。
同じ曲ですが、テンポも全然違います。
テンポ感が変わると、振り付けもやっぱり変わってくるんでしょうか?
それとも振り付けによってテンポが変わる??
どちらも「瀕死の白鳥」として、死ぬ間際の白鳥の様子を演じていますが、
もともとサンサーンスはそんなことは念頭に置いていなく、
優雅に水際を舞う白鳥をチェロのメロディで、
水面の波の様子をピアノで表しています。
平成元年告示の学習指導要領までは、鑑賞の共通教材として、
サンサーンスの「白鳥」を、全国一律に指導しましょうね、ということで
教科書にも必ず載っていた曲です。
その後、共通教材は廃止されたのですが、白鳥はいまだに学校の授業で取り上げられることが多いのではないでしょうか。
ぜひ子ども達に知っておいて欲しい一曲です。
しかし、サンサーンスが表現した優雅に舞う白鳥・・・
阿武隈川で子どもの頃、私が見た白鳥は、
自分と同じサイズだし、声は大きいし、エサに必死で食らいついてきて、クチバシをつついてくるしで、怖かった記憶があります。
おフランスの白鳥はお上品だったのでしょうか。